古都さんぽ49 茶谷明宏
¥880
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古都の静謐を纏う、一枚の着物と散策の記憶
京の町屋の隅々に佇む、着物を纏ったモデルの横顔を切り取った一冊。袖を優しく風になびかせる「鴨川べりの午後」や、石畳の上で振り袖の裾を優雅にたくし上げる「祇園の裏路地」、木々の影で帯の色だけが浮かび上がる「哲学の道の朝」など、四季折々の京都の風景に溶け込む姿が81ページにわたって収められている。着物の模様と街並みの調和を意識した構図は、伝統と現代が交差する瞬間を鮮やかに切り取る。帯留めや草履のディテールまで繊細に捉えた写真集は、着物好きはもちろん、京の風景を写真で愛でたい人への贈り物となるだろう。撮影は季節の移ろいを感じさせるロケーションで行われたという裏話も、読み手の興味をそそる。
旅・風景を切り口にしたグラビア写真集ながら、モデルの存在感としっかりとした構成で、単なる風景写真集に留まらない奥行きを持つ。特に祇園や嵯峨野など、有名なスポットだけでなく、一般的には人目に触れにくい場所での撮影が印象的だ。一見地味に見える着物の着こなしや、街との一体感が、じっくりと時間をかけて味わう価値のある作品に仕上げている。








