東日本大震災〜宮城2〜
¥1,100
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宮城の風景が紡ぐ、静謐な時間と記憶の断片
海辺の防波堤に立つ長身の人物は、灰色がかったブルーのフーデッドパーカーにジーンズというラフながらも落ち着いた装いで、震災後の宮城の街を背景に佇んでいる。波が寄せる岩場や、崩れかけたコンクリートの壁、一面に広がるがれきの跡——そうした風景を、モデルは時折振り返りながら、時折足を止めてカメラに向き合う。時折、防波堤の上でジャンプしたり、がれきの上を歩くモデルの姿も捉えられており、動と静のコントラストが印象的だ。
テクニカルスタッフによるこの「東日本大震災〜宮城2〜」は、単なる被災地の記録写真ではなく、時間が過ぎ去った後の風景に残る「人間の痕跡」を丁寧に切り取っている。頁をめくるごとに、防潮堤のひび割れや、倒壊した建物の鉄骨が生み出す幾何学的な陰影、あるいは打ち寄せる波の音すら聞こえてきそうな海の匂いまでが伝わってくる。モデルの表情は一切見えないが、その存在が、この土地の「今」を語りかけてくる。
旅・風景というジャンルに分類されるが、単なる観光写真集とは一線を画す。震災の記録としての側面と、モノクロに近い落ち着いた色調が醸し出す「忘れられない風景」としての価値を兼ね備えている。1,100円という手頃な価格ながら、42頁にわたる写真の一つひとつにこだわりが感じられる。








